英語と日本語の違い

  最近よく、英語を自然に学ぶ方法というのが考え、取り上げられたりしていますが、私が思うには、日本人が英語を第二言語として学ぶときに本当に大切なことは、日本語と英語の違いを理解することだと思います。

という事で、以下の会話を見てください。

              花子 : ねえ良子、今日太郎君来てる?
              良子 : うん、来てるよ。さっき見かけたよ。

  これは日本語では特に違和感のない会話です。これをそのまま英語の単語に置き換えてみましょう。

  Hanako : Hi Yoshiko. Today toro here?
  Yoshiko : Yes, here. just now saw.

   これはもちろん間違った英語ですね。当然、日本語と英語は文法が違うので単語を英語に変えても正しい文にはなりません。では、これを正しい文にしてみましょう。

          Hanako : Hi Yoshiko. Is Taro here today ?
  Yoshiko : Yes, he is. I saw him just now.

  こんな感じです。英語の文法に従うと語順が変わることと、赤字の単語が足されていることが分かります。この違いを分かりやすくするために、もう一度この文を日本語にしてみましょう。

              花子 : ねえ良子、今日太郎君来てる
              良子 : うん、彼は来てるよ。私はさっき彼を見かけたよ。

  やはりこれも違和感があります。とてもくどい説明がましい日本語になってしまいます。

  これが日本語と英語の違いです。自然な日本語の場合、普通赤字の部分は省略されています。赤字の部分はお互いの共通理解としてわざわざ言及しなくてもよいことになっているのです。それに対して英語の場合は、文法上必要な文の要素ということで省略せずに使われるのです。

   日本語の文化では、多くの場合『行間を読む』ということが行われます。これは、日本文化の中で日本人同士での共通理解ということがとても大きなウエイトを占めているということを表しているのではないでしょうか。それに対して英語の文化は、共通理解という不確定な要素に頼らずに、ルールに従い文字通り伝えるべきであると考えられているのではないかと思われます。

   最近、「訴えてやる!」という内容のテレビ番組が増えていますが、もし、日本が訴訟大国になってしまったら、この行間の部分で、とてもややこしいことになっていくでしょう。共通理解は訴訟になれば何とでも作り上げられるので。

   言葉も行動もそれぞれ理由があってその文化ごとに違ったものになっているはずです。どちらも『直訳』するとおかしなことになるのでは?

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